鍵のかかった部屋の四話目

「座長のヘクター釜千代が非業の死を遂げ、さらには看板役者である飛鳥寺鳳也の逮捕にいたり、

我が劇団『土性骨』は、文字通り存亡の危機を迎えました」

座付きの脚本家である左栗痴子は、重々しい口調で言った。

開演を待つ小劇場の中は、百人近い観客が入ってざわついていたが、

並外れた長身の栗痴子は、座っていても見上げるような高さで、まわりから好奇の目を集めていた。