ホラー短編集「くさり」の四話目の話。

二ページしかなく、かなり短い作品である。

わたしが小学生の頃だった。

家には数匹の猫がいて、近所の人からは猫屋敷などと呼ばれていた。

雌猫が四匹いた。つぎつぎと子猫を生むので、それを捨てに行くのはいつもわたしの役だった。

いやな役だが、親のいいつけでは仕方がなかった。

最初は隣の村や町などに捨てに行っていたが、そのうちにめんどうくさくなってきた。

ちょうど家の裏山に、古い池があったので、子ども心にも少少残酷だとは思ったが、そこへ投げ込むことにした。