ホラー短編集「くさり」の第二話。

ああ、ああ、ああ。またふとっちゃった。とうとう九十キロを超えちゃった。

どうすればいいの。運動をすればおなかがすいてたくさん食べるし

食べなきゃ眼がまわって倒れちゃうし。


及川君はすらりと痩せた好青年である。わたしはどうして、いつも痩せた男性を好きになるのかしら。

わたしが彼に、肥ってつらいことをめんめんと語ると、彼は陽気に笑った。

「先生くらいになりゃ、それだけの貫禄は必要です。少し肥ったくらい何ですか。

先生は充分お綺麗ですよ」