短編集「女たちは二度遊ぶ」の最初の小説です。
本当になんにもしない女だった。炊事、洗濯、掃除はおろか、こちらが注意しないと三日も風呂に入らないほどだった。
女は名前をユカといった。尋ねる日によって、
「結ぶに花と書いてユカ」だとか、
「理由の由に、香るって書くのよ」などと言った。
で、どれが本当なんだよ?」と訊くと、
「カタカナでユカが本当」と答える日と、
「ひらがなでゆか」と答える日があって、
統計的に「カタカナのユカ」と答えたときは、彼女の機嫌が悪い日だった。
主人公は飲み会で始めて知りあったユカという女性を、自分の部屋へ泊めてしまいます。
彼女は、本当になにもしない女でした。
昼からバイトに行って、夜の2時に帰ってきたとき
「なんか食ったのか?」
「・・・何もだべてない」
「なんで?」
「なんでって・・・、あんたが帰ってくるの待ってたんだもん」
こんな調子です。
主人公はためしてみたくなります。自分が部屋へ帰らないでも、彼女は待っているかどうかをです。
僕は、読んでいてハラハラしました。
本気でユカのことを心配しているのです。
吉田修一は、映画化もされた「悪人」が有名ですが、どうやら女性を魅力的に見せるのがうまいようです。
本当になんにもしない女だった。炊事、洗濯、掃除はおろか、こちらが注意しないと三日も風呂に入らないほどだった。
女は名前をユカといった。尋ねる日によって、
「結ぶに花と書いてユカ」だとか、
「理由の由に、香るって書くのよ」などと言った。
で、どれが本当なんだよ?」と訊くと、
「カタカナでユカが本当」と答える日と、
「ひらがなでゆか」と答える日があって、
統計的に「カタカナのユカ」と答えたときは、彼女の機嫌が悪い日だった。
主人公は飲み会で始めて知りあったユカという女性を、自分の部屋へ泊めてしまいます。
彼女は、本当になにもしない女でした。
昼からバイトに行って、夜の2時に帰ってきたとき
「なんか食ったのか?」
「・・・何もだべてない」
「なんで?」
「なんでって・・・、あんたが帰ってくるの待ってたんだもん」
こんな調子です。
主人公はためしてみたくなります。自分が部屋へ帰らないでも、彼女は待っているかどうかをです。
僕は、読んでいてハラハラしました。
本気でユカのことを心配しているのです。
吉田修一は、映画化もされた「悪人」が有名ですが、どうやら女性を魅力的に見せるのがうまいようです。
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