短編小説読んでみた

福岡の便利屋

2014年03月

ホラー短編集「くさり」の四話目の話。

二ページしかなく、かなり短い作品である。

わたしが小学生の頃だった。

家には数匹の猫がいて、近所の人からは猫屋敷などと呼ばれていた。

雌猫が四匹いた。つぎつぎと子猫を生むので、それを捨てに行くのはいつもわたしの役だった。

いやな役だが、親のいいつけでは仕方がなかった。

最初は隣の村や町などに捨てに行っていたが、そのうちにめんどうくさくなってきた。

ちょうど家の裏山に、古い池があったので、子ども心にも少少残酷だとは思ったが、そこへ投げ込むことにした。 

ホラー短編集「くさり」の三話。

退勤時間はとっくに過ぎていたため、都心から郊外への電車の中は比較的空いていた。

私の乗った車輛のシートには、十数人が腰をおろしているだけだった。

この最後尾の車輛は、いつも、いちばんすいているのだ。

窓外は暗い。

準急停車駅で、ふたりの印度人が乗ってきた。

頭にはターバンを巻き、上半身は裸だった。そして白いズボンをはいていた。はだしだった。 

ホラー短編集「くさり」の第二話。

ああ、ああ、ああ。またふとっちゃった。とうとう九十キロを超えちゃった。

どうすればいいの。運動をすればおなかがすいてたくさん食べるし

食べなきゃ眼がまわって倒れちゃうし。


及川君はすらりと痩せた好青年である。わたしはどうして、いつも痩せた男性を好きになるのかしら。

わたしが彼に、肥ってつらいことをめんめんと語ると、彼は陽気に笑った。

「先生くらいになりゃ、それだけの貫禄は必要です。少し肥ったくらい何ですか。

先生は充分お綺麗ですよ」 

ホラー短編集「くさり」の一話目。

たくさんの資産を持っている会社社長「彼」は後一ヶ月の命。

彼の病室には、毎日、親類が訪れ、資産の配分で罵り合いを続けている。

その彼に医者は、こう提案する。

「脳の保存にしなさい。あんた、脳だけになれば何年生きられ続けると思う。

理論的には何百年だって生き続けられるんだぜ」


「理論的には何百年も」

「理論的には何百年も」


医者のそのことばは、彼の頭の中に響きわたった。 

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